
「ビットコインの半減期って何?」「長期保有中はどう立ち回ればいいの?」
そんな疑問はありませんか?
ビットコインの「半減期」は、価格に大きく影響するイベントです。
しかし、その仕組みや価格への影響を知っている方は少ないのではないでしょうか。
本記事では、半減期の基本から過去の値動き、長期保有者の心構え、売却戦略までを徹底解説します。

ビットコインの半減期とは

ビットコインの半減期とは、マイニング(取引データを承認する作業)の報酬が、半分に減るタイミングのことです。
半減期の目的は、インフレを抑えることです。
ビットコインは約21万ブロックが生成されるごとに報酬が半減する設計で、およそ4年に1度のペースで訪れます。
※マイニングの仕組みについては「ビットコインのブロックチェーンとは?仕組みから将来性まで徹底解説!」をご覧ください。
日本円や米ドルのような法定通貨は、中央銀行が必要に応じて発行量を増やせます。
しかし、発行量が増えすぎると通貨の価値が下がり、インフレを招きかねません。
一方、ビットコインは発行上限が2,100万枚とあらかじめ決まっています。
半減期によって新規発行のペースを徐々に落とし、供給量をコントロールしているのです。
なお、2024年4月に4回目の半減期を迎え、報酬は6.25BTCから3.125BTCに減少しました。
次回は2028年頃の見込みです。
半減期後にビットコインの価格が上がりやすい理由

過去4回の半減期では、いずれもその後に価格が上昇しています。
これは偶然ではなく、主に2つの理由があります。
・ 新規の供給が減り売り圧力が弱まる
・値上がりへの期待から投資家の買いが集まりやすい
それでは詳しく見ていきましょう。
h3: 新規の供給が減り売り圧力が弱まる
マイナー(採掘者)は、電気代や設備費を賄うために報酬で得たビットコインを市場で売却しています。
半減期後は報酬が半分になるため、市場に出回る新規コインの量も減少します。
たとえば、報酬が10BTCだった場合を考えてみましょう。
半減期後は5BTCしか受け取れないため、市場に出る新規コインの上限も5BTC。
売り圧力が抑えられ、価格を下支えしやすい状況が生まれます。

ただし、需給の変化がチャートに反映されるまでには、数ヶ月から1年程度のタイムラグがあるのが通例です。
「半減期が来たから明日すぐ暴騰する」という性質のものではない点は、あらかじめ押さえておきましょう。
値上がりへの期待から投資家の買いが集まりやすい
半減期が近づくと、「価格が上がるのでは」という期待から買いが入り始めます。
過去4回の半減期では、いずれもその後に価格が上昇しており「半減期は買い時」という認識が広がっているからです。
メディアやSNSで半減期が取り上げられる機会も増え、普段は仮想通貨に関心のない層にも情報が届きます。
新規参入者が増えれば取引量も増加し、価格を押し上げる要因になります。
多くの人が「上がる」と思って買えば、実際に価格は上がるのです。
期待が行動を生み、行動が結果を生むという流れです。
ただし、同じパターンが永遠に続く保証はありません。
市場環境の変化や想定外の出来事によって、過去のパターンが崩れる可能性もあります。
参考にはしても過信しないようにしておきましょう。
過去4回の半減期で価格はどう動いたか

過去4回の半減期では、いずれも約1年〜1年半後に最高値を更新しています。
ただし、価格変動には半減期以外の要因も影響していました。
・2012年|キプロス危機を機に約100倍の急騰
・2016年|ICOブームと重なり約30倍に上昇
・2020年|金融緩和が重なり約8倍に上昇
・2024年|ETF承認後に半減期前から価格が上昇
それぞれの時期に何が起きていたのか、背景とあわせて振り返りましょう。
2012年|キプロス危機を機に約100倍の急騰
1回目の半減期は2012年11月でした。
当時の価格は約12ドルでしたが、約1年後には約1,100ドルまで上昇。
およそ100倍という驚異的な値上がりを記録しています。
上昇の背景には、2013年3月のキプロス金融危機がありました。
銀行預金が封鎖されて法定通貨への信頼が揺らぐ中、代替資産としてビットコインに注目が集まったのです。
ただし、当時のビットコイン市場は規模が小さく、少額の売買でも価格が動きやすい状況でした。
現在とは市場環境がまったく異なるため、同じ上昇率を期待するのは現実的ではないでしょう。
2016年|ICOブームと重なり約30倍に上昇
2回目の半減期は2016年7月でした。
半減期時の価格は約650ドルで、約1年半後の2017年12月には約2万ドルに到達。
約30倍の上昇となっています。
当時はICO(新規トークン発行による資金調達)ブームが重なり、仮想通貨市場全体が盛り上がっていた時期です。
日本でも取引所のテレビCMが話題になり、新規参入者が急増しました。
ビットコイン単体の要因だけでなく、市場全体への資金流入が価格を押し上げたといえるでしょう。
2020年|金融緩和が重なり約8倍に上昇
3回目の半減期は2020年5月に発生しました。
半減期時の価格は約8,500ドルで、約1年半後の2021年11月には8倍の約69,000ドルまで上昇。
コロナ禍における各国の金融緩和政策により、市場に大量の資金が流れ込んだ時期でした。
テスラをはじめとする企業や機関投資家の参入も追い風となり、ビットコインの認知度と信頼性が一気に高まりました。
また、DeFi(分散型金融)やNFTの流行も重なり、仮想通貨市場全体が活況を呈したことも要因の一つでしょう。
2024年|ETF承認後に半減期前から価格が上昇
2024年1月、米国でビットコイン現物ETFが承認されました。
証券口座から手軽に投資できるようになり、機関投資家の資金が一気に流入しています。
影響は大きく、2024年3月には半減期を待たずに過去最高値を更新するという異例の展開がありました。
4月の半減期時点では約63,000ドルで推移し、従来のような「半減期後にじわじわ上がる」流れとは異なる動きを見せたのです。
しかし、最終的なピークは2025年10月でした。
約12万5,000ドル(約1,890万円)という史上最高値を記録し、半減期から約18ヶ月後にピークを迎えるという過去のパターンと一致しています。
途中経過は異例でしたが、4年サイクル自体は今回も有効だったといえるでしょう。
【注意!】ピーク後には毎回大きな暴落が起きている

過去4回の半減期では、価格がピーク後にしばらくしてから大きな下落が起きています。
上昇局面だけに注目しがちですが、下落も半減期サイクルの一部です。

暴落のきっかけは毎回異なります。
2014年はマウントゴックスの破綻、2018年はICOバブルの崩壊と金融引き締め、2022年はテラ/LUNAショックとFTX破綻でした。
半減期の約1年半〜2年後に大きな事件が起き、それが暴落の引き金になってきました。
2026年2月現在は1,000万円台で推移しており、過去のパターン通りなら調整局面が続く可能性があります。
暴落のきっかけは毎回異なり、偶然の重なりかもしれません。
ただし、「半減期の約1〜2年後に下落が来る」というパターン自体は、アノマリー(経験的に観測される規則性)として多くの投資家に意識されています。
「ピークの後は下がる」と信じて行動する人が増えれば、実際に下落が起きやすくなるのです。
上昇局面でも、常に下落リスクを意識しておきましょう。
過去のパターンが今後も通用するとは限らない理由3選

ここまで過去のパターンを参考にした立ち回り方を紹介しました。
ただし、今後も同じパターンが続く保証はありません。
・現物ETFの承認で市場の構造が変化した
・金利や景気の影響が大きくなり始めた
・半減期のパターンが広く知れ渡った
市場環境の変化も押さえておきましょう。
現物ETFの承認で市場の構造が変化した
現物ETFが承認され証券口座から株式と同じように売買できるようになったことで、機関投資家の参入が本格化しています。
ブラックロックやフィデリティといった世界的な資産運用会社が、ETFを通じてビットコインを大量に保有するようになりました。
個人投資家中心だった市場は、機関投資家が主導する市場へと変わりつつあります。
機関投資家の資金が流入すれば価格は上昇し、流出すれば急落する。
ETFの資金動向がビットコイン価格を左右する時代に入ったといえるでしょう。
金利や景気の影響が大きくなり始めた
以前のビットコインは、半減期という独自イベントで価格が動く特殊な資産でした。
しかし機関投資家の参入により、一般的な金融商品としての性格が強まっています。
米国の金利政策や景気動向に左右されやすくなり、ナスダックなどの株式市場との連動も目立つようになりました。
「半減期だから上がる」というビットコイン固有の理由だけでは、値動きを説明しきれない場面が増えています。
「利下げ観測で上昇」「景気後退懸念で下落」といった、株や債券と同じ理由で動くケースが今後も増えていくでしょう。
半減期のパターンが広く知れ渡った
「半減期後に上昇し、約2年後に下落する」というパターンは、今や多くの投資家に知れ渡りました。
書籍やSNSで繰り返し紹介され、サイクルを意識した売買が当たり前になっています。
知れ渡った結果、先回りして動こうとする投資家が増えてきました。
「みんなが売る前に売ろう」という動きが広がれば、ピークのタイミングは前倒しになるでしょう。
前述のETFやマクロ経済の影響も加わり、過去のパターンがそのまま繰り返される保証はありません。
参考にはしても、過信しないようにしておきましょう。
長期保有者は半減期にどう立ち回る?

長期保有の場合、半減期のたびに神経質になる必要はありません。
ビットコインの将来的な価値上昇を信じて保有しているなら、短期の値動きに振り回される理由はないからです。
とはいえ、半減期サイクルの知識は長期保有にも活かせます。
・暴落が来ても慌てない
・サイクルに合わせた買い増しも選択肢
早速みていきましょう。
暴落が来ても慌てない
半減期後に上昇し、その後大きく下落するのが過去のパターンです。
「暴落は来るもの」と想定していれば、いざ下落しても慌てずに済みます。
耐えきれずに売った直後に反発し、買い戻せなくなるのはよくあるケースです。
含み損を抱えていても、売らなければ損失は確定しません。
狼狽売りには注意しましょう。
サイクルに合わせた買い増しも選択肢
暴落局面は、安く買い増せるチャンスでもあります。
半減期サイクルを意識していれば、下落に備えて資金を準備しておくこともできるでしょう。
毎月一定額を積み立てるドルコスト平均法も有効です。
安いときに多く、高いときに少なく買う形になり、「今買うべきか」と悩む必要がありません。
さらに余力があれば、大きく下落したタイミングで追加購入するのも一つの選択肢です。
半減期サイクルを踏まえたビットコイン売却の考え方

過去の傾向では、半減期から12〜18ヶ月後に価格がピークを迎えてきました。
ただし、正確なタイミングは誰にもわかりません。
・ピーク付近で分割して売却する
・売却のルールを事前に決めておく
天井を完璧に当てようとせず、「取りこぼしを減らす売り方」を意識しましょう。
ピーク付近で分割して売却する
過去の傾向ではピークは半減期から12〜18ヶ月後でしたが、2024年のように半減期前に高値をつけるケースもあります。
いつ売り時が来てもいいように、準備だけはしておきましょう。
天井を正確に当てるのは、プロでも困難です。
「もう少し上がるかも」と待っているうちに下落が始まり、売り時を逃すケースは珍しくありません。
そこで有効なのが、分割して売却する方法です。
たとえば、目標価格に近づいたら保有量の1/3ずつ、複数回に分けて売却します。
想定より上がった場合や、下落局面に入ったタイミングで売ることもあるでしょう。
一度に全部売るよりも、価格変動のリスクを抑えられます。
売却のルールを事前に決めておく
価格が上昇しているときは「まだ上がるかも」、下落しているときは「また戻るかも」と考えがちです。
感情に流されてしまうと、結局売り時を逃してしまいます。
対策として、売却ルールを事前に決めておきましょう。
ルールの決め方は大きく2つあります。
1つはビットコインの価格ベースで、「〇〇ドルに達したら売る」「購入価格の2倍になったら売る」など、具体的な数字を設定しておく方法です。
もう1つは目標額ベース。
「生活費1年分を確保できたら売る」「投資元本を回収したら残りは次のサイクルまで持つ」など、自分の資産状況に合わせて決めていきます。
ルールを決めたら、あとは淡々と実行するだけです。
迷う余地をなくしておくことが、結果的に利益を守ることにつながります。
【Q&A】ビットコインの半減期に関するよくある質問

半減期について調べていると、細かな疑問が出てくるものです。
・半減期が来たら持っているビットコインの枚数も減る?
・半減期のサイクルはいつまで続く?
・半減期の正確な日付はいつわかる?
・イーサリアムなど他の仮想通貨にも半減期はある?
初心者がつまずきやすいポイントをQ&A形式で解説します。
半減期が来たら持っているビットコインの枚数も減る?
いいえ、保有しているビットコインの枚数は減りません。
半減期で減るのは「新規に発行されるビットコインの量」であり、すでに保有している枚数には影響がないのです。
たとえば、あなたが1BTCを持っていた場合、半減期を迎えても1BTCのまま。
取引所やウォレットに預けているコインも同様です。
半減期はマイナーが受け取る報酬が半分になるイベントであり、保有者の資産が減るわけではありません。
安心して保有を続けてください!
半減期のサイクルはいつまで続く?
ビットコインは発行上限が2,100万枚と決まっています。
約4年ごとに半減期が繰り返され、2140年頃に全33回の半減期を経て発行が完了する見込みです。
発行が終わると、マイナーの収入源は取引手数料のみになります。
ブロック報酬がなくなっても、ネットワークが維持される仕組みは設計段階から想定済みです。
ただし、ETF承認や機関投資家の参入により市場は成熟しつつあります。
価格上昇を後押ししてきた半減期のインパクトは、今後薄れていく可能性もあるでしょう。
サイクルの恩恵を受けられるのは、あと数回という見方もあります。
半減期の正確な日付はいつわかる?
正確な日付は直前までわかりません。
半減期は約4年ごとに発生しますが、ブロックの生成速度によって多少前後するためです。
目安を知りたい場合は、カウントダウンサイトを活用しましょう。
現在のブロック生成ペースをもとに、残り日数を表示してくれます。
次回の半減期は2028年頃の見込みです。
近づくにつれて予測精度は上がりますが、数日〜数週間のズレは起こり得ると考えておきましょう。
イーサリアムなど他の仮想通貨にも半減期はある?
イーサリアムには半減期がありません。
2022年に「The Merge」と呼ばれる大型アップデートを実施し、マイニング自体が終了したからです。
現在のイーサリアムはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)という仕組みで運用されています。
保有量に応じて報酬を得る方式のため、採掘報酬を半減させる概念がそもそも存在しません。
一方、ビットコインと同じPoW(プルーフ・オブ・ワーク)を採用する通貨には半減期があります。
ライトコインやビットコインキャッシュなどが代表例です。
まとめ|ビットコイン半減期の仕組みを理解して売るタイミングを見極めよう

今回は、ビットコインの半減期について、仕組みから売却戦略までを解説しました。
半減期とは、マイニング報酬が約4年ごとに半分になるイベントです。
供給量を抑えることで希少性を高め、価格上昇につながりやすい設計になっています。
過去4回の半減期では、いずれも12〜18ヶ月後に最高値を更新してきました。
ただし、ピーク後には毎回30〜80%の暴落も起きています。
上昇と下落、どちらも半減期サイクルの一部として理解しておきましょう。
長期保有を前提にするなら、半減期のたびに神経質になる必要はありません。
売却する際は、分割売却やルールを事前に決めておくことで、感情に左右されない判断ができます。
過去のパターンを参考にしつつも、過信せず冷静な判断を心がけましょう。